「コーヒーを通じてきれいな琵琶湖を取り戻せへんかな」
そう語るのは、子どものころに琵琶湖で遊んでいた想いをめぐらせながら、愛犬の散歩をしていた「Rainyday coffee」の店主である中川匠さん。
お店の未来を変える挑戦だという今回の商品「琵琶湖いきもの珈琲」には、もっと琵琶湖を大事にしてほしいという願いが込められていました。
コーヒー屋さんが、なぜ琵琶湖のいきものをかけ合わせた商品をつくったのか、その想いとこだわりを深掘りします。
| 匠の珈琲 Rainyday coffee 代表 中川 匠 |
| 2020年より滋賀県長浜市高月町でRainyday coffeeを開業。 2022年に匠の珈琲 Rainyday coffeeへ変更し、長浜市高月町で喫茶を主としない珈琲販売店をスタートさせる。 |
琵琶湖いきもの珈琲への想い

ーー「琵琶湖いきもの珈琲」がつくられたきっかけはなんでしょうか。
きっかけは琵琶湖にあるゴミです。
愛犬と琵琶湖のほとりを散歩しているときに、琵琶湖の対岸から流れてくるようなタイヤのホイールとかガラス瓶とか、ゴミの多さが目にとまりました。
なんかおかしいなって。
昔は水遊び、魚釣り、琵琶湖を通じて家族で遊んだ記憶があるんです。砂浜も裸足で歩けたはずなのに、漂着したゴミを避けながら歩いていました。
そこで、コーヒー屋の僕たちがコーヒーを通じて、琵琶湖に貢献できることはないかなと考えたんです。
店の名前「Rainyday coffee」は水に由来していますし、コーヒーも90%以上が水分なので、水を介して琵琶湖に貢献できないかと考えて「琵琶湖いきもの珈琲」が生まれました。
ーー琵琶湖の生き物の生息域と焙煎の深さをかけ合わせた「琵琶湖いきもの珈琲」についてお聞かせください。
浅瀬にいるハリヨ。この魚はきれいな水でしか生きられないんです。そこで「浅い川」や「きれいな清流」をイメージして、浅煎りでもすっきりとした飲み心地がある「ミャンマー」に決めました。
中層を泳ぐビワヒガイは中ぐらいの深さをイメージし、中深煎りのおいしいバランスタイプ、グァテマラにしています。
そして、深いところにいるイワトコナマズ。これはもう深いイメージそのままに、深煎りのブラジルを合わせました。
ーー焙煎とのペアリングもおもしろいですが、選ばれている魚が渋いですよね。
琵琶湖の魚といえば、みなさん「ビワコオオナマズ」か「ビワマス」くらいをイメージされると思うんです。でも、今回はもっとニッチというか、あえてマイナーどころを知ってもらいたいなと思いまして。
たとえばイワトコナマズは、名前の通り岩場のごつごつしたところにいるナマズなんです。
ごく稀に黄色い個体が産まれることもあり、そんな個体はきらびやかで「弁天様の使い」といわれ、別名「弁天ナマズ」とも呼ばれたりもするんですよ。実際に琵琶湖博物館にも展示されていました。
「こんな魚がいるんや」とか「弁天ナマズって何?」って興味をもってもらいたい。知っているようで知らない「琵琶湖の奥深さ」みたいなものに触れてもらえたら、ニッチな商品にした甲斐がありますね。
パッケージへのこだわり

ーーイラストを担当された黒川琉伊さんは現役高校生とお聞きしました。出会われたきっかけとご依頼の背景を教えてください。
実は、2022年に黒川琉伊さんが出された本をメディアや書店で見かけて、その内容がずっと頭に残っていたんです。
その本の最後のページに、彼の想いが書かれていて。
「ゴミがいっぱいで悲しい。じゃあどうしたらいいか?たくさんの人にこの本を読んでもらって、琵琶湖を好きになる人を増やしたい」
この言葉が僕にすごく刺さりました。「同じ想いを持っている人がいる!」と思い連絡させていただいたのがきっかけです。
最初の企画段階では僕たちのやりたいことを説明しました。
「これから作るコーヒーを、琵琶湖の浅瀬・中ぐらい・一番深いところの3パターンで表現したいんです」と。
実際にお店にも来ていただき決定しました。
──コーヒーとともにカードがセットになっていますね。使い方のイメージはありますか?
3種類入っているカードは、大人の方なら贈り物に添えるメッセージカードとして使っていただけますし、お子さんなら川や水族館の展示で見て「こんな魚を見てきたよ」って絵を描き足したり、日記みたいに使ってもらったり。
もちろん、何も書かずにただイラストを眺めるだけでもいいんです。
最初は裏面に「体長何センチ」とか「どこに生息している」とか、生態を書こうかとも思ったんですが、あえて説明しすぎないような形にしました。
「これどんな魚なんやろ?」って気になった人が調べるほうがおもしろいと思うんです。自由に遊び心として楽しんでもらえたらなと。
商品を手にするお客様、そして琵琶湖の未来への視点
ーー今後、魚の種類やコーヒーのラインナップを増やしていく予定はありますか?
今後も増やせたらいいなと思っています。
あと、地元の方はもちろんですが「ふるさと納税」の返礼品としても検討していて、できるだけ多くの方の手に届いてほしいですね。
「琵琶湖いきもの珈琲」の売り上げの一部は、琵琶湖の環境保全活動に役立てていただくために、寄付させていただきます。
琵琶湖への関心が高まるきっかけになればと思います。
ーー「琵琶湖いきもの珈琲」をどのように楽しんでほしいですか?
店名「Rainydaycoffee」には、雨の日や心に少し影が差すような日でも、一杯のコーヒーで晴れやかな気持ちを届けたいというコンセプトがあるんです。ですので、これをきっかけに飲んでいただいて、少しでも心が晴れたら嬉しいなと。
最近は暗いニュースも多いし、天気でうっとうしい日もありますけど、そんなときに琵琶湖を見るとスッキリするじゃないですか。広い琵琶湖を見ていると、自分のちっちゃな気持ちが、パッと大きくなるような感覚になるんです。
琵琶湖は本当に気持ちいい。琵琶湖の水って、突き放すような冷たさじゃなくて、自分らを包み込んでくれるような優しさがあるんですよ。
だから「もっと琵琶湖を見てほしい」「琵琶湖に暗い影を落とさず、きれいなままであってほしい」というのが一番の想いです。
そのために、琵琶湖の優しさに触れる時間のお供として、このコーヒーを持ってもらえたらうれしいですね。
編集部より
かつてのような美しさを取り戻すために、そして琵琶湖のことをもっと考える時間を過ごせるようにと考えられた「琵琶湖いきもの珈琲」。
ただ環境保全を目的とした商品ではなく、琵琶湖の大切さを感じてほしいという想いが伝わりました。
わたしたちもコーヒーを片手に、琵琶湖をぼんやり考える時間を過ごしたいなと思います。
商品情報
| 「琵琶湖いきもの珈琲」3種類 | ・ハリヨ×ミャンマー(中浅煎り) ・ビワヒガイ×グァテマラ(中深煎り) ・イワトコナマズ×ブラジル(深煎り) |
| 価格 | 【セット販売:950円(クリアケース入り)】 ・ドリップバッグコーヒー:3種類各1袋 ・カード:3種類各1枚 ・リーフレット:1冊【バラ販売(簡易OPP袋):380円】 ・ドリップバッグコーヒー:いずれか1袋 ・カード:いずれか1枚 ・リーフレット1冊 ※販売場所により変更する可能性があります |
| 販売場所 | ・匠の珈琲Rainyday coffee店頭 ・匠の珈琲Rainyday coffeeオンラインストア(BASE) ・長浜くらしノートストア(えきまちテラス長浜) ・琵琶湖博物館 ミュージアムショップ おいでや |
※売上の一部は琵琶湖の環境保全活動に寄付させていただきます。

